ThinkUpの山下です。仕事柄WEB上の新しいサービスがあるとまず試しています。今回紹介するNMMaximumもその中の一つです。
考えてみればそれまでネットは匿名性がむしろメリットと考えられていたところにFacebookという強力な第二世代のSNSが実名制を武器に登場しました。ブログなどが金儲けを目的としたスパマーによってあまりに荒れてしまっていたので、信用の裏付けであるリアルな世界での名前=実名はインパクトがありました。ちょうど日本は東日本大震災により「つながり」に目覚めた時期でもあったので、急速に伸びていきました。
でも2年が過ぎたあたりから「SNS疲れ」ということばがささやかれ、実名のわずらわしさを感じた若者からまず離れていきました。
LINEのような友だち同士の閉じたネットワークサービスの方がぴったりくるのでしょう。
ゆるくつながっていくソーシャルメディアの良さをもう一度実名制から考えていくと確かにNMMaximumのようなSNSがあってもいいと思います。
そこで開発者で管理人のsanagahamaさんに連絡を取り、インタビューをしてみました。
Q.NMMaximumをはじめられたきっかけ、動機をお聞かせください。
A.SNSが出てきて、今までの人間関係や出会いといったものが変わったなと実感しました。大きな出来事は、SNSがきっかけになって中学の同窓会が開かれて、久々に旧友と会えて、その後も近況がわかったり連絡が取れるようになったことに驚きを覚えたことです。これからも更に今までにない人と人との出会いや自分の可能性を高めたり活躍できるチャンスが広がる「何か」が生まれてきて、自分もそういうものを作ってみたいと思ったのがきっかけです。
Q.ネーミングの由来を教えてください。
A.最初のNは「NEEDS」の意味で日本語でも使いますが、ニーズです。相手の求め、需要という意味になります。次のMは「Matching」の意味で日本語でも使いますが、マッチングです。これは相手のニーズにマッチングするという意味です。
そして最後は「Maximum」で最大化となります。まとめると相手の求めに対するマッチングを最大化するという意味になります。
このサイトでは投稿者の状況からニーズを理解して、人やサービスのマッチングを最大化したいという意味になります。
Q.管理人さんのプロフィールを簡単に教えてください。
A.IT大好き人間です。話題になっている新しいネットサービスは試して何か新しい体験ができないかよく探しています。学生時代や仕事でプログラミングもしていたので、いつか何かしらITのすごいサービスに関われたらなとよく考えていました。
またゲームも好きでして、昔のコンソール機からPC、スマホゲームまで色々なゲームを楽しんできました。
そういった経験があったのでSNSにアクセントでゲーム感覚で自分の実績が表示される仕組みを入れたり、サイトの記事を閲覧中には誰かが入ってきて、会話ができるちょっとした緊張感みたいなものを入れて、なんとなく冒険しているような感覚を入れる感じにしてみました。
Q.着想はいつで実際の開発はいつからですか。
A.着想は10年くらい前にTwitterやFacebookが出てきた時です。すごいサービスだと思うと同時にもっと気軽に様々な人がお互いに現在の状況を共有して、お互いにケアできるような仕組みにならないかなと思ったのがきっかけです。
実際の開発は2017年に入ってからです。 苦労したのはチャット部分の実装です。オープンソースのものを利用するにも色々と独自のコードがあったりして、一般的な知識でわからず、更にマイナーなものだとネットで調べてもほとんど英語だったりします。その際にはネット上でのプログラミングのコミュニティサイトや気軽に対応してくれる人を紹介してくれるサイト等を探して聞いたり、間違えている部分を指摘してもらったり、修正してもらったりして、ネットを通じて様々な人達に助けてもらいました。これもネットの新しい力なんだと実感しました。
Q.NMMaxiumが目指していることは何ですか
目的は利用者が自分の長所を知り、それを高めて、多くの人に支持されるようになる手助けになるサイトになれればと思います。そして、さらに人とのつながりやネットワークがより良いものになっていくことを目指しています。
Q.どのようなユーザーのどのような活用シーンを考えておられますか。
A.若者からお年寄り、学生から社会人、主婦、引退者まで幅広い人達に利用してもらいたいと考えています。皆、他の人がどのようなことをしているのか気になります。朝、起きてから寝るまでに、どんな朝食を食べているのか。仕事ではどんなことをしているのか。子育てや家事はどうしているのか。休日はどう過ごしているのか、介護のような大変なことを他の人はどうしているのか等々、皆気になっているはずです。自分と同じ状況の人とすぐにチャットが出来て、同時に仲間やその分野で詳しい人との出会いと交流の場になればと思っています。
Q.既存のSNSとの違いはどういうところですか
A.既存の大手のSNSとの違いは扱う個人情報はメールアドレスのみという点があります。 最近、より深刻になっている個人情報の流出には気を使いました。 情報の流出を完全に防ぐことは難しいので、むしろ盗みたくなるものがあまりない、もしくは被害が最小限となるような発想で作っています。 しかし、それではお互いにわからないことばかりでコミュニケーションが成り立ちません。自分の特徴に関する情報の一部をキーワードとしてあいまいな形でそれぞれのユーザーが公開しても良い形で出せるようにしています。 また通常の投稿記事の中で、同じ興味を持っているもの同士、つまり投稿者と閲覧者、もしくは閲覧者同士ですぐにチャットでコミュニケーションが取れる点があります。記事はつぶやき感覚でも投稿できますし、まとまった文章で投稿することもできます。 加えて、SNSの利用をゲームに例えて、多くの感謝ポイントと感謝レポートを獲得していくゲーム感覚も取り入れました。
Q.ユーザーはどのくらいいますか
A.ここはまだ初めたばかりでまだまだです。早く世間に認知されて多くの人が利用してくれればと思います。
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個人がプラットフォームを作り、そこに人を集めるのは大変なことですし、その後のメンテナンスも手間がかかります。どのようなテーマで集めってくるのか、仕組みはあったとしても利用者が集まるまでは時間がかかりそう。何かを告知する機能があると集客や情報の拡散で苦労している個人が使うかもしれない。そのあたりをじっくりと考えてみたい。
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